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勉強になる「今月の一軒」  vol. 09
珈琲の3度目の波「サードウェーブコーヒー」

勉強になるテーマ

今まさに珈琲が熱い。

今年の2月東京の清須白河に、そして続け様に3月青山に2店舗目、そしてこの春代官山に3店舗目ができるブルーボトルコーヒーの人気は、ご承知の通り半端ありません。1杯のコーヒーを飲むために並ぶ人々の長蛇の列。その人達は本当に美味しいコーヒーを味わいたいからブルーボトルコーヒーへ訪れ、並んでいるのでしょうか。
そこにはブルーボトルが出すコーヒーがどんなものか味わってみたい期待と、ブルーボトルコーヒーという素敵な空間で素敵なスタッフが淹れてくれるコーヒーを味わっているオシャレな自分を味わいたい、という思いもきっとあるからなのでしょう。それはもう洋服などのアパレルの世界と同じようにコーヒー店が「ブランド」化されたこと。いうならば「ロンハーマン」の飲食版が「ブルーボトルコーヒー」とも言っていいような。
「ブルーボトルコーヒー」がコーヒー界の「アップル」と言われているのもうなずけます。もちろん1杯ずつ丁寧に淹れてくれるコーヒーや、その回りに揃う商品のレベルが高いからこその人気もあると思いますが、何よりも空間や人、その店が生まれた土地と風土、育て培われた歴史や文化、全てのスタイルが、高級ブランドとはまた違う、自分にも手に届きそうなレベルの程よい力の抜け感と居心地の良さ、ラフなお洒落。高級レストランなどで味わう緊張が伴う贅沢感ではなく、そうそれはまさしく時間に余裕のある休日の朝のようなゆっくりと流れる空気の中、コーヒー1杯分だけの金額で、洗練された空間で上質な本物のコーヒーを魅力ある人々と味わえ、そして「力の抜けた」贅沢な時間を過ごすことの出来る場。それこそがまさに「ブルーボトルコーヒー」が持つ大きな魅力であり、幅広い客層に指示される所以なのだと思います。
この「ブルーボトルコーヒー」が火付け役とも言われている「サードウェーブコーヒー」。この文化は、そもそも日本の喫茶から生まれてきたものであるというから日本の喫茶文化は改めてさすがだと感じます。ヒゲの蓄えた年配のおじさまがカウンターの中で豆を挽き、1杯ずつ丁寧にたてて入れてくれるコーヒー。まさしくTHE日本の喫茶店の光景。今、その文化が若者にうつり、20代の男の子がサイフォンなどでコーヒーを入れる姿が目新しく「ブルーボトルコーヒー」と同じように日本中でぞくぞくとそういった店が増えてきています。あらゆるモノが溢れる現代の世の中で、求められ、愛され続けてきたのはやはり本物であること。
このコーヒーの風は、先日訪れた台湾にもやってきていました。今回は、その台湾で出会ったそれぞれに個性のあるコーヒー店舗を3店舗ご紹介します。

Fika Fika Cafe

松江南京駅から徒歩10分。
公園を目の前にした立地は落ち着きと自然が楽しめます。木と白を基調にした店舗はまさしく北欧スタイル。
こだわりのあるコーヒーや今人気のベーグルのフードなどもあるが何より参考にしたいのがレイアウトの上手さ。1人客から2人、4人客と、何名で来ても落ち着ける空間作り。キッチンに併設されたカウンター、その奥には小高くなっておりキッチンを見渡せるコーナー、大テーブルに、ソファ席など様々な配置があるが、キッチンからは全てを見渡せるレイアウトになっている。
居心地の良さと、清潔感、コンセプトにあわせて統一された什器のセレクトなど参考になるお店。

 

Stay Real Cafe

流行りのアパレル店などが密集する忠考南路から1本入った場所に位置する店舗。店内はフィギアなどが置かれやや暗めのPOPテイストといったところ。
台湾バリスタで1位をとった店とのコラボという点もあるが、一番のこの店の特徴とは「わっ」と驚くボリューム感の演出に違いありません。オーダーしたソイアイスクラッシュラテはメイソンジャーでこれでもかというボリュームで提供され、花形のワッフルにもこれでもかというマッシュポテトがのせられている。これを目当てにした若者がオーダーした商品が来るや否やSNSでアップするために携帯で写真を撮る姿をあちらこちらで見かけ、話題になる商品作りが上手い店舗。

 

The Lobby Simple Kaffa

今回のコーヒー視察の店舗で、もう一度訪れるとしたらこの店舗のコーヒーを味わいたいと思います。一口飲んだときに「あ、美味しい」と素直に感じらえるコーヒーでした。
モダンなホテルに併設された店で白のテーブルとチェアは座りづらく落ち着けないかと一瞬躊躇しますが、このコーヒーの味わいで入って良かったと思えるお店。頼んだバナナラテ、ブラウンシュガーラテどちらも美味しく、その味わいは他のラテメニューもきっと全て美味しいはず。台湾バリスタ大会で優勝したオーナーが運営を行っており、もう一つの店の看板であるデザートメニューは京都で見た半熟カステラを再現したもの、さすが親日派の台湾。日本でもこのラテが味わえる店があればリピーター客はかなり高い店になるはず、というかその美味しさに自分自身が通いたいお店。